作成日:2022年09月11日 更新日:2025年02月2日
「フリーウェイト」「マシントレーニング」のメリット・デメリットを理解しましょう

「筋トレってフリーウェイトで行わないと意味ないんでしょ?」
「マシントレーニングって効果ないんでしょ?」
あなたはそんな風に思ったことや、聞いたことはありませんか?
筋トレを行ううえで、「フリーウェイトが良いのか?」それとも「マシントレーニングが良いのか?」質問されることがあります。
またフィットネス業界では、どちらが優れているのか議論されることもしばしば。
フリーウェイトにもマシントレーニングにもメリット・デメリットがあり、それぞれの特徴と目的を理解し、実施しなければ効果的な筋トレを行うことはできません。
このブログでは、フリーウェイト・マシントレーニングのメリット、デメリットについて解説していきます。
目次
フリーウェイトトレーニングとは?

一般的にフリーウェイトとは、ダンベルやバーベルなどを使用して行うトレーニングを指し、トレーニング中バーベルやダンベルの軌道が自由に動くことが特徴です。
トレーニングの際は自分の意思でコントロールする必要があり、難易度は高くなりなるので、トレーニング中級者〜上級者向けになります。
フリーウェイトのメリット
フリーウェイトの考えられる2つのメリットをご紹介します
フリーウェイトのメリット
- バリエーションが豊富
- 特定の筋肉+αのトレーニングが可能
この2つのメリットについて詳しく解説します。
バリエーションが豊富
フリーウェイトの場合、バリエーションが豊富に筋トレをし筋肉を刺激することができます。
例えば、バーベルを担いでスクワットするだけでなく、脚を前後に開きトレーニングすると、スプリット・スクワット。
片足を台などに載せてトレーニングをすると、ブルガリアン・スクワットなどバリエーション豊富にトレーニングを行うことが、フリーウェイトのメリットになります。
ターゲットの筋肉+αのトレーニングができる
ターゲットの筋肉+αのトレーニングができることもフリーウェイトのメリットの1つです。
フリーウェイトで胸を目的にトレーニングする場合、ペンチプレスを行う人がほとんどだと思います。
ベンチプレスを行うと姿勢を保持しなければならないので、胸+姿勢を安定させるために体幹や脚の筋肉も刺激されます。
このように、日常生活やスポーツの動作で不可欠な体を安定させる筋肉も刺激されるので、生活やスポーツの場で起こりえるケガを防ぐことができるのです。
フリーウェイトのデメリット
非常に優れたメリットがある反面、フリーウェイトにもデメリットがあります。
ここからは、フリーウェイトのデメリットについてみてみましょう。
フリーウェイトのデメリット
- フォームを身に付けるのが難しい
- マシントレーニングよりケガのリスクが高い
フォームを身に付けるのが難しい
フリーウェイトは、効果的で正しいフォームを獲得するのが難しいデメリットがあります。
筋トレは、ただフォームをマネすれば良いわけではなく、テクニックが必要です。
例えば、ベンチプレスで胸を鍛える場合、胸を張る動きが重要になります。
これには、肩甲骨の内転と下制の動きが必要です。
YouTubeなどで、筋トレのフォームを解説されている動画も実在しますが、フォームのポイントを理解し、正しいフォームでトレーニング出来ているか判断するのは難しく、動画だけでフォームを身に付けることは難易度が高いです。
トレーニング初心者の人は、パーソナルトレーニングジムなどで、正しいフォームを教わることをおすすめします。
過去のブログで、正しいパーソナルトレーニングジムの見つけ方や、筋トレ初心者の方にパーソナルトレーニングをおすすめする理由を解説していますので、参考にして下さい。
マシントレーニングよりケガのリスクが高い

過剰に設定した重量や、誤ったフォームでのトレーニングを行なった場合、ケガのリスクが高くなってしまいます。
誤ったフォームで筋トレを行ってしまうと、鍛えたい筋肉に刺激が入らず、関節や靭帯などに負荷がかかってしまい、けがをしてしまう危険性があるのです。
例えば、誤ったフォームでスクワットを行ってしまうと、腰や膝を痛めてしまう可能性が高くなります。
健康のために筋トレを始めたのに、筋トレが原因でけがをしてしまっては本末転倒です。
バーベルやダンベルを扱うので、重量が体に反映される分、ケガの可能性も高くなるので、フリーウェイトでの筋トレの場合は、トレーニングに慣れた中級者から上級者に向いています。
マシントレーニングとは?

ここからは、マシントレーニングについてまとめていきます。
マシントレーニングとは、主にフィトネスクラブなど専用のトレーニングマシンを使って、目的の筋肉をピンポイントに刺激するトレーニングのことをいいます。
マシントレーニングは、トレーニング初心者でも安心して行うことが特徴です。
マシントレーニングのメリット
マシントレーニングのメリットについても確認していきましょう。
マシントレーニングのメリットの以下の通りです。
マシントレーニングのメリット
- ケガをする可能性が低い
- 鍛えたい筋肉をしっかり刺激することができる
- 重量の調節が容易にできる
ケガのリスクが低い
マシントレーニングでは、ケガのリスクを抑えて筋トレを行うことができます。
体がマシンに支えられ、軌道も決まっているので、不意にフォームが乱れにくためです。
フリーウェイトはマシントレーニングより不安定な分、自分で姿勢を保たなければなりません。
フリーウェイトでは重さに耐えきれず、不意にバランスを崩してケガをしてしまう時がありますが、マシントレーニングでは、その心配をすることなくトレーニングが可能です。
このように、マシントレーニングでは、ケガのリスクを抑えてトレーニングを行うことができます。
ピンポイントで筋肉を鍛えることができる
マシントレーニングでは、ピンポイントに鍛えたい筋肉を鍛えることができます。
フリーウェイトと違い、体がマシンに支えられている分、鍛えたい筋肉に意識を集中させることができるからです。
特に、筋トレ初心者や、中・上級者で筋肉を追い込みたい人、怪我のリハビリ初期に有効になります。
筋トレ初心者は、いきなりフリーウェイトを行うのではなく、マシントレーニングで体が慣れてきてからフリーウェイトに移行すると良いでしょう。
基礎筋力が乏しく、フォームで意識すべき箇所を意識しにくいので、体が安定している状況で、意識すべき箇所を意識する。
さらに、基礎筋力を高め、フォームを安定させるようになってからフリーウェイトに移行した方が、より筋トレを効果的に行うことができます。
また、筋トレ中・上級者が限界まで追い込む際にも、マシントレーニングは有効的です。
フリーウェイトで限界まで追い込もうとすると、バランスを崩し怪我の原因となってしまいますが、マシンによって体が安定している分、その心配をすることなく追い込むことができます。
マシントレーニングの特性を活かして、スポーツの現場ではリハビリの初期段階でも、活用されています。
怪我をした部分は、機能的にも筋力的にも衰えているため、非常に不安定です。
フリーウェイトでは、不意にバランスを崩してしまう時があるため、怪我の再発につながる可能性がありますが、マシンで鍛えることで、その心配をする必要がありません。
このように、マシントレーニングでは、鍛えたい筋肉を、より意識的に鍛えることができるメリットがあります。
重量の調節が容易にできる

マシントレーニングでは、重量の調整が容易にすることができます。
マシンの構造上、座ったままピンを差し替えるだけで、重量を調整できる作りになっているからです。
フリーウェイトで重量を変える場合、左右の重りを変える必要があります。
例えば、60kgに設定しようとした場合、バーベルが20kgに対して、左右に20kgのプレートをつけなければならず、非常に重労働です。
しかし、マシントレーニングでは、座ったままピンを変えるだけなので、体に対する負担も少なく重量を変えることができます。
このように、マシントレーニングでは、重量の調整を簡単に行うことができるのがメリットです。
マシントレーニングのデメリット
マシントレーニングのデメリットについて、2つご紹介します。
マシントレーニングのデメリット
- 全身を鍛えることができない
- ジムに通わなければならない
全身を鍛えることができない
マシントレーニングでは全身を鍛えることができません。
体が支えられ、軌道が決まっているなかで、トレーニングを行うためです。
フリーウェイトのメリットでご紹介したように、フリーウェイトでは、鍛えたい筋肉に加えて姿勢を安定させなければならないので、姿勢を安定させるため、ほぼ全身の筋肉も鍛えられます。
例えば、チェストプレスで胸を鍛える場合、大胸筋・上腕三頭筋・前鋸筋を鍛えることが可能です。
しかし、マシンによって体が支えられているので、姿勢を保つための筋肉は鍛えられません。
このように、マシントレーニングでは、全身を鍛えることができないのです。
ジムに通う必要がある
マシンでトレーニングする場合、マシンが設備されているジムに通う必要があります。
マシントレーニングで、全身を鍛える場合、揃えなければならいマシンが多く、現実的ではありません。
コロナウィルスの感染がきっかけで、自宅にトレーニング器具を購入し、ホームジムを作る人が増えましたが、マシンで全身をトレーニングするには、最低でもチェストプレス・ラットプルダウン・レッグプレスのマシンを揃える必要があります。
これは、経済的にも負担となり、設置するためにもある程度の間取りも必要なため現実的ではありません。
田舎暮らしで間取りに余裕がある、経済的にも余裕があり、絶対に筋トレを辞めない条件が揃えば、マシンを購入しても良いでしょう。
このように、マシンでトレーニングを行う場合、マシンが併設されているジムに通う必要があります。
両方取り入れるハイブリットな方法
トレーニング初心者は、マシントレーニング。
上級者はフリーウェイトとご紹介しましたが、フリーウェイトとマシントレーニングを併用している人が多くいます。
この理由はトレーニングの原則として、⑴大きい筋肉から小さい筋肉を鍛える。
⑵多関節運動から単関節運動という流れでトレーニングを行うことが推奨されているからです。
⑴の例
ベンチプレス → トライセプスエクステンション
筋肉の面積が多い大胸筋を鍛え、補助筋でもある上腕三頭筋を鍛える。
この時、大胸筋はフリーウェイトのベンチプレス 、上腕三頭筋はケーブルマシンでトレーニングを行うと、この原則に当てはまります。
⑵の例
スクワット → レッグエクステンション
多関節種目のスクワット(足関節・膝関節・股関節)の次に、単関節種目のレッグエクステンションを行うことで、より大腿四頭筋を鍛えることが可能です。
フリーウェイトとマシントレーニングの双方を取り入れることで、トレーニングの原則を満たすことが可能となり、鍛えたい筋肉をさらに追い込むことができます。
また、このハイブリットな方法は、両方のメリット・デメリットを相殺することになり、満遍なく筋肉を刺激することができます。
まとめ
今回のブログでは、フリーウェイトとマシントレーニングのメリット・デメリットについてまとめました。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、あなた自身のトレーニングスキルレベル、目的・目標に照らし合わせて、どちらを選ぶか選択して下さい。
トレーニングの目的がムキムキな身体じゃなければ、フリーウェイトは絶対に必要というわけではありません。
トレーニングの根本的な目的は、健康増進ですので、どちらでトレーニングを行うにしてもケガには十分に気を付けましょう。
著者プロフィール

佐藤 喜一
鍼灸師としての医学的観点とトレーナーとしての科学的視点をかけ合わせ「あなた本来の身体」へ導くパーソナルトレーナー
指導実績
トップアスリート、アーティスト、モデル、俳優などのトレーニング&コンディショニングを担当 これまでの経験を基に、トレーニングと鍼灸で1,000名以上の身体の悩みを抱える方々のサポートを行う
保有資格
◆はり師・きゅう師 ◆NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー) ◆FMS Level1 ◆テクニカ・ガビラン認定者