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筋トレは筋肉痛にならないと効果がないと思っていませんか?

「昨日、筋トレを頑張ったのに全然筋肉痛が来ない、、、」

「筋肉痛にならないと、筋トレの効果ってないのかな?」

あなたは、筋肉痛についてそのように思われたことはありませんか?

筋トレをして筋肉痛にならないからといって、筋トレの効果が出ないわけではありません。

確かに、筋トレを頑張り、次の日に筋肉痛があると、「昨日頑張った!」「昨日の筋トレが効いている!」と思われると思います。

しかし筋肉痛は、あくまで1つの参考指標であり、効果を保証する指標にはならないのです。

実際に、お客様から前回のトレーニングで、筋肉痛にならなかったけど大丈夫ですか?という声を聞く機会があります。

その時、私は「筋肉痛が絶対ではありません」という説明をしつつ、負荷やフォームが適切だったか振り返るようにしています。

それは自分自分の筋トレでも同じです。

今回のブログでは、筋トレと筋肉痛の関係と、筋肉痛を和らげる方法、筋トレをして筋肉をいち早く回復させるために、休息と栄養のポイントを併せて、生理学の知識を織り交ぜながら紹介していきます。

筋肉痛が出ないと筋トレの効果はないのか?

筋肉痛が出ないと、筋トレの効果がないわけではありません。

筋トレの効果はボリュームで決まるからです。※1

筋トレにおけるボリュームとは、重さ×回数×セット数で決まります。

例えば、スクワットを30kgで10回3セット行うと、ボリュームは900kg(30×10×3)となります。

筋トレでは、このボリュームが少しずつ多くなるように、重さや回数、セット数を変化させる必要があり、重要になるのです。

この過程で、筋肉痛が発生するので、筋トレを行って筋肉痛がなかったとしても、効果がないというわけではありません。

筋肉痛は、筋トレの効果を実感できる指標の1つでしかないのです。

筋肉痛のメカニズム

筋肉痛は、どのようにして起こるのかメカニズムを理解する必要があります。

しかし、厳密にいうと現段階で筋肉痛がどのようなメカニズムで発生するのか、正確にはわかっていません。※2

現段階で、考えられている筋肉痛の原因について、解説します。

筋肉の微小断裂

筋トレによって、筋肉が微小断裂して筋肉痛になると考えられています。※3

筋トレなどの運動を行なった後に、筋肉に目に見えないくらい細かな傷ができ、傷を修復する過程で炎症が生じるのです。

その際に、ブラジキニンに代表される複数の痛みを発生させる発痛物質によって、筋肉痛になると言われています。

神経の過敏

最近では、筋肉が損傷ではなく、筋トレ後に神経が過敏となることが、筋肉痛を発生させるという見解もあります。※4

筋トレなどで筋肉が疲労すると、筋肉の損傷に反応する酵素や、酸素を運ぶタンパク質などが、筋肉痛の原因となるブラジキニンなどを発生させ、神経を成長させる過程で神経が過敏になって筋肉痛が感じるという説です。

どちらの説にしろ、筋肉痛になる原因は、正確に判明はしていません。

筋肉痛になりにくい人がいる

柔軟性が高いと、筋肉痛になりにく傾向にあります。

筋トレは、負荷をかけたい筋肉を伸ばして縮めるを連続して行います。

特に筋トレは伸ばす局面が重要で、筋肉に大きな負荷がかかるので、柔軟性が高い人は、身体が硬い人に比べて、筋肉対する負荷が抑えられるのです。

また、定期的に運動を行なっている人も、筋トレの刺激に対して適応しやいので、筋肉痛になりにくい傾向にあります。

年をとると筋肉痛が遅れて出る?

年をとると筋肉痛が遅れて発生すると耳にしたことはありませんか?

しかし、年齢が高いから筋肉痛が遅れてくるわけではありません。※5

運動の習慣の有無によって、左右されるのです。

20代、30代でも定期的に運動せずに、久しぶりに運動をすると筋肉痛が遅れてくることがあります。

これと同様に、年齢が高い人で、定期的に運動している人が少なく、久しぶりに運動をして筋肉痛が遅れてくる人が多く、一般的に認識された可能性があります。

決して、年齢が原因で筋肉痛が遅れてくるというわけではありません。

筋トレを見直す

冒頭で、筋肉痛の有無が筋トレの効果に影響はないと、ご紹介しました。

これまで筋肉痛があったのに、筋トレの頻度が増えるにつれて、筋肉痛を感じなくたっと思うときは、適切に筋トレを行えているか、筋トレの基本に立ち返ってみましょう。

その際のポイントを、いくつかご紹介します。

テンポ

筋トレのテンポが雑なっていないか、振り返ってみてください。

筋トレには、筋肉を伸ばしながら力発揮する局面(エキセントリック・コントラクション)と、筋肉が縮みながら力発揮する局面(コンセントリック・コントラクション)の2つの局面があります。

筋トレにおいて、特に重要になるのが筋肉を伸ばしながら力発揮している局面です。

筋トレは、筋肉が伸ばしている時はゆっくり、縮んでいる時は早くというのが基本になります。

筋トレの基本を理解していなかったり、筋トレに慣れてきたり、負荷を追い求め過ぎて、筋トレにとって重要な局面が、雑になっていないか確認してみて下さい。

負荷

筋トレを行うさい、毎回同じ負荷や、楽な負荷で筋トレを行なっていませんか?

筋トレを行ううえで「過負荷の原理」「漸進性の法則」というのが重要になります。

過負荷の原理

楽な負荷で筋トレを行うのではなく、少し重いぐらいの負荷で、筋トレを行うことを過負荷の原理といいます。

漸進性の法則

毎回、同じ負荷で筋トレを行うのではなく、徐々に負荷を増やしていくことを、漸進性の法則といいます。

この原理と原則にしたがって、毎回楽な負荷や同じ負荷で筋トレを行なっていないか確認してみましょう。

例えば、35kgでスクワットしていて、次の日に下半身の筋肉に筋肉痛や張る感じが全くないとなると、そもそもの負荷の設定が軽すぎるので、40kgにして負荷を増やします。

このように、現在の負荷が適切か見直してみて下さい。

フォーム

正しいフォームで筋トレができているか、確認してみましょう。

負荷ばかり追ってしまうと、フォームが乱れやすくなってしまいます。

筋トレの効果はボリュームが大切ですが、それは正しいフォームで筋トレが行うことができているというが前提です。

撮影がOKなジムであれば、トレーニング風景を撮影するのも良いでしょう。

また、筋トレに詳しい人にみてもらうのもおすすめです。

適切なフォームで筋トレを行えているか、確認してみて下さい。

筋肉痛があっても筋トレをしても良いのか?

筋肉痛がある時に、筋トレをしても大丈夫なのか、疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

筋肉痛がある場合は無理せず、休息を優先させましょう。

筋トレを行うと、身体は疲労します。

筋トレの強度、筋肉によって回復に必要とする時間は異なりますが、目安として48時間〜72時間と言われているので、筋肉痛の有無に関わらず、この期間はしっかり休息に専念しましょう。※6

特に筋トレを始めたばかりの初心者の人は、はりきってトレーニングを連日してしまうと、オーバートレーニングの状態になりやすく、日常生活にも支障が出てしまうので、注意が必要です。

しかし、筋トレに慣れている中級者〜上級者は、筋肉痛の出ていない部位のトレーニングを行なっても問題ありません。

実際に、私自身もトレーニングを脚→背中→胸→肩と、1日1部位として、4分割してトレーニングを実践しています。

部位を分けていたとしても、身体の疲労感を考慮しつつ、休息を優先すべきかトレーニングを行うか決めているので、無理せずトレーニングを行うようにしましょう。

筋肉痛を和らげるには?

筋肉痛を和らげるには、血行をよくすることが効果です。

血行が良くすると、筋肉痛の原因となる発痛物質が除去されるので、筋肉痛を和らげてくれます。

おすすめの対処を3つご紹介します。

  1. 有酸素運動※7
  2. マッサージ※8
  3. 入浴(温熱治療)※9

筋肉痛があるときは、この3つを実践してみましょう。

実践方法を詳しく解説していきます。

有酸素運動

有酸素運動は、少し息が上がるぐらいの強度で、20分〜30分ぐらいを目安に行うようにしましょう。

他人と会話ができる状態で、また歌を口ずさむことができるぐらいがおすすめです。

あくまで、疲労回復を促すことが目的になるので、疲れるほど行わないことがポイントになります。

マッサージ

マッサージを行うことで、筋肉痛を緩和させることができます。

筋肉痛があるときは、筋肉が緊張し、血行も悪くなっている状態で、筋肉の緊張を緩和されることで、血行も促され、筋肉痛を和らげることにつながるのです。

頻繁にマッサージに行くことは、時間もコストもかかってしまうので、セルフでマッサージーをしたり、筋膜リリースを行うことをおすすめします。

筋膜リリースについては、別の記事でまとめいるので、ぜひ参考にして下さい。

入浴

シャワーだけでなく、お風呂に浸かるように心がけましょう。

身体が温められ、血流が改善されるだけでなく、リラックス効果もあります。

入浴によって、睡眠の質も向上するので、筋トレの疲労だけでなく、日常生活での疲労も回復させる効果があります。

お湯の温度は38度ぐらいで、15分〜20分ぐらいを目安に浸かるようにしましょう。

栄養の状態も大切

栄養の状態も大切で筋トレ後は、筋肉が損傷し、エネルギーも不足している状態になっているので、しっかり栄養を補充して、筋肉が回復しやすい環境を整えることも重要です。

筋トレ後に、意識して摂取すべき栄養素をご紹介します。

  1. タンパク質
  2. ビタミンB1
  3. 糖質

この3つについて解説します。

あなたの栄養の状態は適切か確認してみてください。

タンパク質

筋肉は、タンパク質から作られるので、筋トレによって損傷した筋繊維の回復を促すためにも、重要な栄養になります。

一般的には、ゴールデンタイムと言われる筋トレ後30分以内に、プロテインを摂取することがすすめられていました。

最近では、1日を通してしっかりタンパク質を摂取して、血中のアミノ酸濃度を高めておくことが重要と言われています。

1日の食事を振り返り、どのぐらいタンパク質が摂れているか、確認してみてください

筋トレ後にプロテインを飲むことも重要ですが、1日の3回の食事で、自分の体重/g(体重60kgであれば60g)のタンパク質を摂取できるように心がけましょう。

糖質

筋トレ後に糖質を摂取することで、精神的・肉体的な疲労を回復させることに非常に効果的です。

筋トレ中は、主にグリコーゲン(糖質)がエネルギー源となります。

筋トレ後に、このグリコーゲンが不足した状態になると、筋肉の分解が進んでしまい、それを防ぐには、早い段階で糖質を補充することが重要です。

タンパク質:糖質を3〜4:1の割合にすると、より効果的と言われています。

最近のプロテインは、様々なフレーバーがあり、タンパク質と糖質を理想の配分で補うことができるので、筋トレ後にはプロテインを摂取するとより効果的です。

ビタミンB1

ビタミンB1も筋肉の疲労を回復させる働きがあるのです。

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに転換するときに、重要な役割をします。

特に豚肉に多く含まれているので、筋トレ以外でも疲れがなかなか抜けない、という時はビタミンB1を意識して、摂るようにしましょう。

休息も重要

筋トレの効果を最大限引き出すには、栄養の状態と共に休息も重要です。

筋トレを行うと、体力レベルは筋トレ前より落ちてしまいます。

栄養をしっかり摂り、休息をすることで、体力レベルは回復し、前回の体力レベルより高い状態になり、これを超回復と言います。

休息が疎かになり身体が回復する前に、筋トレを行うと、疲れが溜まった状態になったままで、意欲が下がったり、倦怠感が強くなったり、オーバートレーニングという状態になってしまうので注意が必要です。

そうならない為にも、睡眠は6時間以上とるようにしましょう。

どうしても筋トレのやる気が出ないというときは、無理に筋トレを行う必要はありません。

そんな時は、積極的に休息を優先するべきです。

筋トレのやる気が出ないときの対処方法を、別のブログでまとめているので、気になる方は参考にして下さい。

まとめ

今回のブログでは、筋トレと筋肉痛についてまとめました。

基本的に、筋トレをして筋肉痛が出ないからと言って、効果がないというわけではありません。

しかし、適切にトレーニングを行えているか、振り返る機会にしてみると、より効果的なトレーニングになるはずです。

また筋トレの効果は、休息や栄養の状態にも左右されるので、適切に取り組めているか、確認してみましょう。

あなたのこれからの筋トレライフの参考にしてください。

参考文献

※1 Kubo K, Ikebukuro T, Yata H. Effects of 4, 8, and 12 Repetition Maximum Resistance Training Protocols on Muscle Volume and Strength. J Strength Cond Res. 2021 Apr 1;35(4):879-885. doi: 10.1519/JSC.0000000000003575. PMID: 32304514.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32304514/,(参照 2024-01-04)

※2 MacIntyre DL, Reid WD, McKenzie DC. Delayed muscle soreness. The inflammatory response to muscle injury and its clinical implications. Sports Med. 1995 Jul;20(1):24-40. doi: 10.2165/00007256-199520010-00003. PMID: 7481277.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7481277/,(参照 2024-01-04)

※3 Armstrong RB. Mechanisms of exercise-induced delayed onset muscular soreness: a brief review. Med Sci Sports Exerc. 1984 Dec;16(6):529-38. PMID: 6392811.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6392811/,(参照 2024-01-04)

※4 Mizumura K, Taguchi T. Delayed onset muscle soreness: Involvement of neurotrophic factors. J Physiol Sci. 2016 Jan;66(1):43-52. doi: 10.1007/s12576-015-0397-0. PMID: 26467448; PMCID: PMC10716961.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26467448/,(参照 2024-01-04)

※5 文谷知明.加齢と遅発性筋肉痛に関する一例.体力化学,2005,54(6),543-567,(online),https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/54/6/54_6_543/_article/-char/ja

※6 Hotfiel T, Freiwald J, Hoppe MW, Lutter C, Forst R, Grim C, Bloch W, Hüttel M, Heiss R. Advances in Delayed-Onset Muscle Soreness (DOMS): Part I: Pathogenesis and Diagnostics. Sportverletz Sportschaden. 2018 Dec;32(4):243-250. English. doi: 10.1055/a-0753-1884. Epub 2018 Dec 11. PMID: 30537791.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30537791/,(参照 2024-01-04)

※7 Tufano JJ, Brown LE, Coburn JW, Tsang KK, Cazas VL, LaPorta JW. Effect of aerobic recovery intensity on delayed-onset muscle soreness and strength. J Strength Cond Res. 2012 Oct;26(10):2777-82. doi: 10.1519/JSC.0b013e3182651c06. PMID: 22739325.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22739325/,(参照 2024-01-04)

※8 Farr T, Nottle C, Nosaka K, Sacco P. The effects of therapeutic massage on delayed onset muscle soreness and muscle function following downhill walking. J Sci Med Sport. 2002 Dec;5(4):297-306. doi: 10.1016/s1440-2440(02)80018-4. PMID: 12585613.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12585613/,(参照 2024-01-04)

※9 Wang Y, Li S, Zhang Y, Chen Y, Yan F, Han L, Ma Y. Heat and cold therapy reduce pain in patients with delayed onset muscle soreness: A systematic review and meta-analysis of 32 randomized controlled trials. Phys Ther Sport. 2021 Mar;48:177-187. doi: 10.1016/j.ptsp.2021.01.004. Epub 2021 Jan 14. PMID: 33493991.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33493991/,(参照 2024-01-04)

著者プロフィール

佐藤喜一のプロフィール写真

佐藤 喜一

鍼灸師としての医学的観点とトレーナーとしての科学的視点をかけ合わせ「あなた本来の身体」へ導くパーソナルトレーナー

指導実績

トップアスリート、アーティスト、モデル、俳優などのトレーニング&コンディショニングを担当 これまでの経験を基に、トレーニングと鍼灸で1,000名以上の身体の悩みを抱える方々のサポートを行う

保有資格

◆はり師・きゅう師 ◆NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー) ◆FMS Level1 ◆テクニカ・ガビラン認定者

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