作成日:2022年05月27日 更新日:2022年12月16日
必ず起こる?ダイエットの停滞期の原因と対処の仕方

ダイエットをしたことがある人であれば、停滞期で体重がまったく落ちない時期に遭遇したことはあるのではないでしょうか?
頑張って、普段の食べてる量を減らして気を付けているのに、体重が落ちない、、、
焦りの気持ちから、更に食べる量を減らしたり、よりハードな運動を取り入れたりした経験はありませんか?
結論からお伝えするとダイエットを行うと、人は必ず体重は停滞してしまいます。
ダイエットを成功させ、目標を達成させるためには、この停滞期をどのように向き合うかがポイントです。
このブログでは、これまで1000名以上のダイエットをサポートしてきた経験と、鍼灸師として身に付けた体のメカニズム(生理学)の知識を組み合わせ、ダイエット中に起きる停滞期の原因をわかりやすく解説し、停滞期を抜け出す対策と行っていけないことをご紹介します。
停滞期で体重が落ちないと悩んでいる方は参考にして下さい。
停滞期の原因

冒頭お伝えしたように、人はダイエットをすることによって、必ず体重が停滞してしまう生き物です。
なぜ人は停滞してしまうのか?その原因を解説していきます。
停滞期の原因として、主に「ホメオスタシス」と「周期リズム」の2つが考えられます。
ホメオスタシス
ホメオスタシスとは、内部環境の恒常性と言われ、人は環境の変化が起きると、その変化に適応しようとする機能を備えています。
少し難しい言葉ではありますが、簡単に一言で現すと「環境の変化が起きても常に体の状態を一定に保つこと」ということです。
ダイエットにおいてこのホメオスタシスの機能が体重を停滞させる原因となってしまいます。
ダイエットにおいて体重を減らす絶対条件として、※1食事を制限し消費カロリーより摂取カロリーが下回らなければなりません。
制限によって摂取カロリーが少なくなるという、環境の変化が起こり、これ以上減りすぎると飢餓の危険性があると、体が防御反応を示し、省エネモードに切り替わってしまいます。
この防御機能が作用するので、体重が停滞してしまうのですが、考え方によっては「停滞している=ダイエットが順調に進んでいる」とポジティブに考えることも出来るのです。

周期リズム
女性は周期リズムで生理1週間前ほどから、黄体期と呼ばれる期間で体重が減りにくい状態になります。
これは女性ホルモンである、プロゲステロンというホルモンが機能し、排卵をきっかけに妊娠を維持しやすい状態を作るために栄養や水分を蓄えようとして、①食欲が増したり、②体重が減りにくかったり、③むくみやすい状態になるのです。
これが生理1週間前から停滞期にやりやすい原因となります。
停滞期の期間

ホメオスタシスが機能して起こる体重の停滞は、個人差がありはっきりとした期間はありません。
体重が停滞し始めて2、3週間で停滞期が終わる人もいれば、1ヶ月以上停滞が続く人もいます。
一度停滞期が抜けても、またある程度体重が落ちてから停滞期を繰り返す人も少なくないというのが現状で個人差があります。
周期リズムが関係している場合は、生理1週間前から体重が減りにくい状態となり、生理が始まれば体重が減る人もいれば、生理が終わって減る人もおり、こちらも個人差がある印象です。
周期リズムが関係している場合は、停滞するタイミングや停滞が明けるタイミングが読みやすくある程度、時が過ぎれば解決してくれます。
停滞期からいち早く抜け出す方法とは?

停滞期からいち早く抜け出すために、普段お客様にアドバイスしている内容をお伝えします。
なかな停滞期から抜け出せななくて困っている人は、参考にして下さい。
必ず停滞期は訪れるというマインドが大切

まず、停滞期を抜け出すために必要なのは、ダイエットをすると必ず停滞期は訪れるというマインドが必要です。
摂取カロリーが消費カロリーを下回れば、右肩下がりで体重が減っていくわけではありません。
前項でお伝えしたように、制限によって摂取カロリーが少なくなれば、飢餓に備えて省エネモードになるという防御機能が働きます。
体重が停滞するということは、ダイエットがしっかりできているとポジティブに捉えることが重要です。
チートデイ を取り入れよう
停滞期を抜け出すために非常に有効なのが、チートデイ を取り入れることです。
このチートデイ について詳しく説明します。
チートデイ とは?
ダイエット中に食べる量をわざと増やす日を作ることを言います。
チート・・・ズルをする、騙す
ダイエットによって摂取カロリーが少なくなってしまうと、脳は「飢餓で危機的な状態になった!」と、認識してしまい省エネモードに切り替わってしまいますが、大食いをして摂取カロリーを増やし「飢餓の状態ではない」と脳を騙すことで、省エネモードが緩和して、体重が減りやすい状態になるのです。
またチートデイ は、ダイエットによる不足している栄養素の補充、ストレス緩和やモチベーションを保つうえでも非常に有効な方法になります。
チートデイ の目安
チートデイ の目安は、「通常の1人前+デザート」と、アドバイスをしています。
そんなに食べて大丈夫?と思われるかもしれませんが、体重が停滞しているということは、飢餓状態になっているので、そのぐらい食べても問題ありません。
普段、ダイエットを頑張っている自分に対してのご褒美だと思ってチートデイ を楽しんでください。
チートデイ の適切な頻度
チートデイ の頻度は1週間に1回を推奨しています。
1週間は7日間あり、1日3食あるので1週間で21回食事があると認識します。
20/21でダイエットをしっかり行い、1/21でチートデイ を入れるようにしましょう。
スケジュールの関係で、1週目の土曜日と2週目の日曜日で2日連続でチートデイ となっても、3週以降を日曜以降にチートデイ を入れれば週1回のチートデイ は守れるので、スケジュール管理もしっかり行うことをお勧めします。
チートデイ の注意点
チートデイ の注意点は、食事にメリハリをつけることです。
チートディ のときは思いっきり食べ、普段はしっかりダイエットをするということが大切になります。
ダイエットに慣れてくると、普段の食べる量が知らぬ間に多くなってしまうことがあるので、制限する時と、チートデイ で増やしメリハリをつけることによって効果を発揮し、体重の停滞も抜けやすくなるので、普段の食べる量が多くなっていないか注意が必要です。
チートデイ に関して下記の記事で詳しく解説しているので、参考にして下さい。
PFCバランスの見直し
停滞が1ヶ月以上続く場合は、食事のPFCバランスが悪くないか見直してみて下さい。
PFCとは?
P・・・Protein(タンパク質)
F・・・FAT(脂肪)
C・・・Carbohydrate(炭水化物)
の頭文字をとって、PFCと表現されます。
この3つの共通点は人の体内でエネルギーになるという点です。
食べている内容で、このバランスが悪いとエネルギー循環が悪いと、停滞から抜け出せない原因になってしまうので「無意識に炭水化物が少なくなっていないか?」「タンパク質が多くなっていないか?」など振り返ってみましょう。
日々の食べている内容を写真などで記録して残していると、振り替えやすくなるので非常におすすめです。
1食あたりの時間
あなたは1食にどのぐらいの時間をかけていますか?
より早食いは太る原因となると言われますが、早食いは体重の停滞を招く可能性があります。
満腹中枢は、食べ始めてから20分〜30分程で食事による血糖値の上昇と、食べる物を噛むことによって機能し、食欲が抑えられるようになります。
どうしても早食いになってしまうという人は、一口食べたら最低でも30回噛んでから飲み込むようにしましょう。
そうすることによって、早食いを防止し、1食あたりの時間を20分以上かけるれるになり、満腹中枢が機能して食欲もしっかりコントロールすることが出来るはずです。
睡眠を見直す

ストレスが強くなると、コルチゾールというホルモンの働きによって、体重が落ちにくく停滞しやすくなってしまいます。
ストレスを緩和させるのに、1番有効的なのが寝ることです。
「朝、目覚めた時にスッキリ目覚めることができない」「寝たはずなのに疲れているような気がする」などの症状がある場合は、睡眠を根本的に見直す必要があり、2つのポイントを紹介します。
時間
睡眠は最低でも、6時間は確保するように心がけましょう。
6時間未満の睡眠では、日本酒を1合〜2合飲んだ状態と同じであると研究が報告されており、同じく苛立ちや欲求不満などストレスが高くなることがわかっています。
このことからも睡眠時間は最低でも、6時間以上は確保するように意識しましょう。
質
睡眠の質は時間と同じぐらい非常に大切になります。
6時間以上寝ているのに、朝起きてダルさなどがある場合は睡眠の質が悪い可能性が高いです。
今日からでも簡単に取り入れられる睡眠の質を向上させる方法を3つご紹介します。
①湯船にしっかり浸かる
②寝る60分前からスマホは見ない
③起きる時間を一定にする
などがあげられます。
以前のブログで詳しく紹介していますので、もっと詳しく知りたいという人は、下記の記事を参考にして下さい。
水は最低でも1.5ℓは摂取する

水は老廃物を体外に排出する役割があるので非常に重要です。
また、分解されエネルギーとして使われた脂肪は最終的に、水と二酸化炭素として体外に出されます。
体内で分解された脂肪は血液に抽出されエネルギーとして使われます。
血液の半分は血漿という水に近い成分で、もう半分はアルブミンなど様々な栄養素が含まれます。
水分が少なくなると、栄養素の割合が高くなり、ドロドロなちになってしまい分解された脂肪も血液中に抽出されにくくエネルギーとして使われにくくなってしまい、停滞期を長引かせる原因となってしまう可能性があります。
そうならないためにも、1日2ℓを目安に水を摂取するように心がけましょう。
人は、吐いた息や皮膚からの蒸発、排尿などで1日1.5ℓの水分を失っているので、補うためにも最低でも1.5ℓの水を摂取する必要があります。
停滞期にやってはいけない行動

最後に、停滞期にやってはいけない行動を2つお話します。
停滞期に行っていけない行動とは飢餓状態を更に助長してしまうことです。
飢餓の状態を助長させてしまうとは、どのようなことなのか詳しく解説します。
食事をさらに減らしてしまう
なかなか停滞期を抜け出せず焦りから、食事を更に減らしてしまう人がいますが、これは絶対にやってはいけません。
体重の停滞は、体が飢餓の状態になっていると認識しているから減らないのです。
量を減らしてしまうと、体の飢餓状態をさらに助長してしまい、停滞期を脱することが難しくなってしまいます。
過度にトレーニングを増やす
過度にトレーニングを増やしてしまうと、食べてる量を減らしていなくても消費カロリーが増えるので、体は飢餓状態だと錯覚してしまいます。
ハードなトレーニングを連日おこなってしまうと、ストレスも多く感じてしまい、コルチゾールが多く分泌され、体を守るために防御機能がさらに促進してしまい停滞期が長引いてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
まとめ
今回の記事では、停滞期の原因や気を付けるポイントについてまとめました。
人の体は、環境の変化が起きると適応する生き物です。
ダイエットにおいて食べる量が減り、体が飢餓状態になった錯覚しまうと危機的な状況になると、人間に備えられているホメオスタシスという機能によって体重の停滞が起きます。
停滞期が訪れるということは、裏を返せばダイエット順調であるというサインでもあるので、焦らずチートデイ を取り入れ、生活習慣などを見直してみて下さい。
ダイエットを成功させるポイントは、息抜きしながら根気強く、そして長く継続するということです。
著者プロフィール

佐藤 喜一
鍼灸師としての医学的観点とトレーナーとしての科学的視点をかけ合わせ「あなた本来の身体」へ導くパーソナルトレーナー
指導実績
トップアスリート、アーティスト、モデル、俳優などのトレーニング&コンディショニングを担当 これまでの経験を基に、トレーニングと鍼灸で1,000名以上の身体の悩みを抱える方々のサポートを行う
保有資格
◆はり師・きゅう師 ◆NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー) ◆FMS Level1 ◆テクニカ・ガビラン認定者