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【ストレスに効果的!】筋トレで自律神経を整える

『最近、何となく身体だるい気がする、、、』

『寝ようと思っても、なかなか寝付けない、、、」

あんたは、そんな症状に悩まされていませんか?

もしかすると、自律神経の働きが乱れている可能性があります。

自律神経の乱れを評価することは難しく、検査をしても数字で現れるものではありません。

自律神経の乱れが原因で起こる症状は、筋トレで改善・予防することが可能です。

一見、筋トレと自律神経の働きは関係ないように思われますが、筋トレはスイッチの役割があり、自律神経の働きを整えてくれます。

今回の記事では、筋トレによって自律神経が整うメカニズムや、主な症状、ストレスに対する考え方などを、生理学的な視点も踏まえ、ご紹介します。

是非、筋トレを始めるきっかけや症状の改善に参考にして下さい。

筋トレが自律神経を整える

筋トレをすることによって、自律神経のバランスを整える「スイッチ」のような効果があります。

筋トレをすることで、交感神経が優位になり、筋トレ後は、身体を回復させようと、副交感神経神経が優位に切り替わり、この一連の働きが「スイッチ」のような役割を果たしているのです。

一見、筋トレと聞くと、「筋肉を付けて、身体を引き締める」外見的な効果に意識しがちですが、身体の機能を整えるという一面もあります。

筋トレをすると、交感神経が優位に働き身体が活発な状態になり、心拍数の増加・血圧の上昇・消費エネルギーの増加などが起こります。※1

筋トレ後は、副交感神経が優位となりホメオスタシス※2の働きによって、心拍数や血圧、エネルギーの消費は落ち着き、身体を回復するモードになるのです。※1

結果的に、筋トレがスイッチの役割を果たし、自律神経のバランスを整えることにつながります。

自律神経とは?

自律神経とは、環境の変化に応じて交感神経と副交感神経を使い分け、身体の内部の状況を一定に保つために、自分の意志とは関係なく、身体の働きを自動で調整してくれる神経のことです。

自分の意志で、汗をかいたり止めたりすることは出来ませんし、ストレスもなく運動していないのに心拍数が上がることがない事象から、そのことを理解することが出来ます。

日常の生活の中で、自立神経の働きが取り入れられている場面がいくつかあるのです。

例えば、トイレなどで人が入ると自動で電気が付き、いなくなると消えるシステムは自律神経の働きと同じになります。

さらに、エアコンで室内温度を25度に設定し、それ以上に温度が高くなると冷たい空気を出し、低くなると暖かい空気を出し温度を一定に保とうとするのも自律神経と同じです。

このように日常生活の中でも、自動で調整してくれるシステムがあり、これは自律神経と同じ働きになります。

交換神経

交感神経は、活動が活発な時に優位に働く神経です。

主に仕事をしたり、運動をしたり、ストレスを感じた時に働き、身体を活動的する働きがあります。

考え事をするとエネルギー消費が高まり、筋トレなど運度をすると心拍数や熱の産生を高めたりするのです。

副交感神経

副交感神経は、身体を休ませリラックスしている時に優位に働く神経です。

ボーッとテレビを見ている時は心拍数を落ち着かせたり、消化・吸収・排泄が促されます。

排泄を例にとっても、例外の除いてマラソン中にトイレに行きたくなることはなく、部屋でゆっくり過ごしているときに、トイレに行きたくなるはずです。

これは、マラソン中は交感神経が優位に働き、部屋でゆっくり過ごしているときは、副交感神経が優位に働いている証になります。

自律神経が乱れているサイン

自律神経の働きが乱れている場合、肉体的・精神的に様々な症状が現れます。

身体的な症状

  1. 疲れやすい
  2. 寝付きが悪い・眠りが浅い
  3. 頭痛・めまい
  4. 動機・息切れ
  5. 胃腸の不調
  6. 手足の冷えや火照り
  7. 肩こりや筋肉の緊張
  8. 肌荒れや抜け毛

精神的な症状

  1. 集中力ややる気の低下
  2. イライラや不安感

など、複数の症状が現れます。

これらの症状は、不規則な生活や過剰なストレスによって、交感神経が優位になり自律神経の働きが乱れバランスが悪い状態です。

自律神経は身体全体をコントロールしているため、ピンポインで症状が出ることはなく、身体全体に影響を与えます。

自律神経失調症と診断されることもあり、検査では特に異常は見つからず、明確な診断基準がないため、症状や生活習慣、ストレス度合いをトータル的に医師が判断することが多いです。

また、自律神経失調症が進行してしまうと、鬱病に発展する可能性が高まるので注意が必要になります。

自律神経失調症は、自律神経のバランスが乱れ、心と身体に様々な不調の症状を起こす状態で、長く続いてしまうと、ストレスの耐性が低下し、感情も不安定になりやすく、結果として鬱病を発症してしまうのです。

そうならないためにも、不規則な生活は避け、ストレスをうまく発散し、上記に当てはまる症状を複数感じたら、無理せず早期に受診することをおすすめします。

ストレスは悪者ではない

ストレスと聞くと、ネガティブなイメージがあるかもしれませんが、ストレス自体が悪者でなく、過剰になることが良くありません。

ストレスも人間にとっては必要なものだからです。

人間は、地球上にいる限り常に「重量」というストレスに晒されています。

重力ストレスが無くなってしまう、宇宙のような無重力の状態では、筋肉が急激に萎縮してしまったり、骨にかかる負荷も大幅に減少するため、骨密度が低下してしまい、骨折のリスクが高くなってしまうのです。※3

地上で、寝たきりの状態が重量のストレスが減少してしまい、進捗の違いはあれど、同じような症状を引き起こしてしまいます。※4

このように、ストレス=悪者にするのは誤解であり、筋トレをするように身体に適度なストレスを与えて、ストレスに対する耐性を作ることも重要なのです。

そして、自分なりのストレスを発散する方法を見つけ、ストレスと癒しのバランスを保つ必要があります。

おすすめの筋トレ

おすすめの筋トレは、スクワット・ベンチプレス・ラットプル・シットアップです。

この4つの筋トレを行うことによって、全身の筋肉を満遍なく鍛えられます。

筋トレでは、特定の筋肉だけを鍛えるのではなく、全身を満遍なくトレーニングすることが原則です。

トレーニングの原理原則については、別の記事で紹介しているので、参考にして下さい。

スクワット

スクワットは、「トレーニングの王様」と言われ、足関節・膝関節・股関節が動員されるため、下半身のほとんどの筋肉を鍛えられます。

また、下半身には身体の6割以上の筋肉が存在しており、スクワットを行うことで、身体の半分以上の筋肉を鍛えることが可能です。

方法

  1. 上体は真っ直ぐにし、足は肩幅に広げ、爪先は30度を目安に外に向けます
  2. 鼻で息を吸いながら、お尻を遠くに突き出すようにしゃがみます
  3. 太ももが床と並行になるところまでしゃがんだら、スタートの姿勢に戻ります

ベンチプレス

ベンチプレスは、大胸筋・前鋸筋・三角筋前部を鍛えられます。

方法

  1. ベンチに仰向けの姿勢で、バーベルを握ります
  2. 後頭部・上背部・臀部はベンチ、両足は床に接します(5ポイントコンタクト)
  3. バーベルをラック持ち上げ、胸の前で構えます
  4. 息を吸いながら、鳩尾にバーベルを下ろします
  5. 息を吐きながら、バーベルを押し、スタートの姿勢に戻ります

ラットプル

ラットプルでは、広背筋・僧帽筋下部・大円筋・上腕二頭筋が鍛えられます。

方法

  1. マシンに座り、太ももを固定します
  2. 両手を後頭部で合わせ、肩を固定したまま、肘を伸ばし、バーを握ります
  3. 上体を前に倒し、頭のあった位置にバーを下ろします
  4. バーをゆっくり戻し、スタートの姿勢に戻します

シットアップ

シットアップでは、腹筋の上・中部を鍛えられます

方法

  1. 仰向けの姿勢で、両手は後頭部にセットし、肩骨付近にクッションを置き、膝を曲げます
  2. 息を吸い、目線は天井に向け、肘を開き腹筋にストレッチをかけます
  3. 肘を閉じながら、息を吐きながら、お腹を覗き込むように状態を状態を起こします

自律神経を整える運動ルーティン

自律神経を整えるための、運動ルーティンをご紹介します。

現状の身体や心の状態にもよりますが、朝と夜で運動は変えた方が良いです。

余裕があれば、朝と夜に運動を取り入れると、より効果的で自律神経も整いやすくなります。

朝は、ウォーキングや有酸素運動を行うことをおすすめします。

朝日を浴びることができること、これから活動的になる身体を慣らすことができるからです。

朝日(光)を浴びることで、体内時計をリセットする効果や、精神を安定させるセロトニンの分泌が促されたり、睡眠の質が向上しやすくなります。※5

生活習慣が不規則な人や、イライラや不安が高い人には効果的です。

心と身体に余裕があれば、筋トレを行っても良いでしょう。

朝に筋トレを行うことで、ドーパミンやテストステロンが分泌され、集中力が増しやすい状態になり、日中のパフォーマンスが向上します。※6

筋トレをすることで、自律神経の働きが整う恩恵も受けることが出来るのでおすすめです。

夜は筋トレをすることがおすすめです。

夜に筋トレをすることで、適度に身体を疲労させ、眠りやすくしたり、睡眠の質を向上します。

筋トレをする際は、全身満遍なく身体全体をトレーニングし、週2回程度行うことがおすすめです。

筋トレをする際は、ハードに追い込みすぎないように気を付けなければなりません。

交感神経が優位になりすぎ、眠れなくなってしまう可能性もあります。

食事も重要

自律神経を整えるには、食事も重要となります。

バランスよく食事をすることは大切ですが、その中でもタンパク質を意識することが重要になります。

タンパク質は、セロトニンの材料になるからです。※7

タンパク質が不足してしまうと、セロトニンが作られず、心が不安定な状態になりやすくなります。

そうならないためにも、食事も重要で、なかでもタンパク質は非常に大切になるのです。

まとめ

筋トレによって、自律神経が整うことについてまとめました。

自律神経は、身体を制御しており、乱れてしまうと身体は不調に陥ってしまします。

自律神経の乱れは、検査によって数字で評価されるものではありません。

主観的な要素によって、判断されるため本人も気付かず、見過ごされる場合もあります。

仕事や人間関係に追われるだけでなく、自分の心の声にも耳を傾ける時間も必要です。

適度に筋トレや運動をすることで、ストレスに対する耐性を作ることも可能で、無理のない範囲で運動を行なってみて下さい。

また、ストレスに対する考え方を見直すことで、肩の荷が軽くもなります。

この記事が、あなたの生活の質を向上につながれば幸いです。

参考文献

※1 Physiopedia. (n.d.). Exercise Physiology. Retrieved from https://www.physio-pedia.com/Exercise_Physiology(参照 2024-10-13)

※2 Torday JS. Homeostasis as the Mechanism of Evolution. Biology (Basel). 2015 Sep 15;4(3):573-90. doi: 10.3390/biology4030573. PMID: 26389962; PMCID: PMC4588151.(参照 2024-10-13)

※3 LeBlanc A, Lin C, Shackelford L, Sinitsyn V, Evans H, Belichenko O, Schenkman B, Kozlovskaya I, Oganov V, Bakulin A, Hedrick T, Feeback D. Muscle volume, MRI relaxation times (T2), and body composition after spaceflight. J Appl Physiol (1985). 2000 Dec;89(6):2158-64. doi: 10.1152/jappl.2000.89.6.2158. PMID: 11090562.(参照 2024-10-14)

※4 Bloomfield SA. Changes in musculoskeletal structure and function with prolonged bed rest. Med Sci Sports Exerc. 1997 Feb;29(2):197-206. doi: 10.1097/00005768-199702000-00006. PMID: 9044223.(参照 2024-10-14)

※5 Cajochen C, Frey S, Anders D, Späti J, Bues M, Pross A, Mager R, Wirz-Justice A, Stefani O. Evening exposure to a light-emitting diodes (LED)-backlit computer screen affects circadian physiology and cognitive performance. J Appl Physiol (1985). 2011 May;110(5):1432-8. doi: 10.1152/japplphysiol.00165.2011. Epub 2011 Mar 17. PMID: 21415172.(参照 2024-10-14)

※6 Huberman, A. (2024). The Science of How to Optimize Testosterone & Estrogen. Huberman Lab. https://ai-hubermanlab-com.translate.goog/s/pww_D26N?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=wapp.(参照 2024-10-15)

※7 Fernstrom JD. Large neutral amino acids: dietary effects on brain neurochemistry and function. Amino Acids. 2013 Sep;45(3):419-30. doi: 10.1007/s00726-012-1330-y. Epub 2012 Jun 8. PMID: 22677921.(参照 2024-10-15)

著者プロフィール

佐藤喜一のプロフィール写真

佐藤 喜一

鍼灸師としての医学的観点とトレーナーとしての科学的視点をかけ合わせ「あなた本来の身体」へ導くパーソナルトレーナー

指導実績

トップアスリート、アーティスト、モデル、俳優などのトレーニング&コンディショニングを担当 これまでの経験を基に、トレーニングと鍼灸で1,000名以上の身体の悩みを抱える方々のサポートを行う

保有資格

◆はり師・きゅう師 ◆NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー) ◆FMS Level1 ◆テクニカ・ガビラン認定者

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