作成日:2022年11月25日 更新日:2023年01月10日
体に問題が生じる?ヴィーガンが危険な本当の理由

「ヴィーガンって身体に良いって本当?」
「ヴィーガンの本当のところが知りたい!」
最近目にするようになった「ヴィーガン」という言葉。
ヴィーガンとは、乳製品を含む動物性タンパク質を食べずに、野菜を中心に食べる人のことをいいます。
海外や日本の有名人で、ヴィーガンを公表する人が目立ち、あなたもそんな人達と同じ食生活を取り入れてみようと思っていませんか?
しかし、肉や乳製品を食べてアレルギーを持っていなければ、ヴィーガンになることは健康上のリスクが起きる可能性が非常に高くなるのでおすすめしません。
以前、カウンセリングで来られたお客様にも「ヴィーガンなので、肉・魚などの動物性タンパク質は食べない。それに沿った食事指導をして欲しい」とリクエストされた経験があります。
野菜中心の食事で、豆腐など大豆由来の植物性タンパク質の摂取が中心となってしまうと、栄養が偏り、プラスして筋トレなどを行なってしまうと、栄養不足をさらに助長してしまいます。
また、動物性タンパク質を食べないと起こるリスクを説明しましたが、ヴィーガンを信じている人には、あまり響かなかった様です。
このブログでは、鍼灸師の国家資格を取得する際に身に付けた生理学と栄養学の知識と、これまで多くの人のダイエットをサポートして経験を踏まえて、ヴィーガンの人に起こるリスクについて解説していきます。
ベジタリアンとは?
ヴィーガンと良くにた言葉に「ベジタリアン」があります。
ベジタリアンは、葉食主義者の人のことで、野菜中心の食事で肉・魚はもちろん、肉・魚が含まれている食品を食べない人をさします。
ベジタリアンにも複数種類があるようで、野菜に加えて何を食べるかによって分かれるようです。
主なベジタリアンの種類
- ヴィーガン(野菜のみを食べる)
- ラクト・ベジタリアン(野菜と乳製品は食べる)
- ラクト・オボ・ベジタリアン(野菜と乳製品・卵は食べる)
- ペスコ・ベジタリアン(野菜と魚・卵・乳製品は食べる)
自分の持っている病気やアレルギーによって、食べる・食べないは選択し、健康・自分の思想・動物愛護・環境・スピリチュアルなど様々な背景で、ベジタリアンになる人がいるようです。
ヴィーガンとは?
ヴィーガンとはベジタリアンの一種に含まれ、卵・乳製品・ハチミツを含む動物性の食品をいっさい食べない(完全葉食主義者)の人のことをいいます。
食べ物だけでなく、身の回り物も動物由来のものを避けることで、動物の命を尊重する「エジカル・ヴィーガン」といったりします。
ヴィーガンとなり、肉・魚などの動物性タンパク質を食べなくなってから、ニキビが改善した、体の問題が解決し健康になったという人もいるようです。
ヴィーガンに対して肯定的な研究もいくつも発表されています。
ヴィーガンの人が不足しやすい栄養
植物性の食品を食べているヴィーガンの人は、栄養が偏ってしまい、不足してしまう栄養素があります。
どんな栄養が不足しがちになるのか確認しましょう。
不足しやすい栄養
- タンパク質
- カルシウム
- ビタミン
- 亜鉛
- オメガ3脂肪酸
これらの栄養が不足すると、体に問題が起こってしまいます。
どんな問題が生じるかみてみましょう。
タンパク質
タンパク質が不足してしまうことでの体の問題
・髪の毛がパサつく
・肌がカサつく
・爪が割れやすくなる
・筋肉が落ちる
・貧血etc
この他にも様々なリスクが想定されます。
髪の毛・肌・爪・筋肉・血液はタンパク質から造られる組織です。この他にも体のほとんどの組織がタンパク質が材料となっています。
栄養不足になると、体は防御反応として、脳・神経・内臓など生命活動に優先度高い組織に栄養を行き渡るようにシステムされているので、このような反応がおきます。
また、筋肉が落ちてしまうと、基礎代謝も落ち、太りやすく痩せにくい体になってしまうのです。
カルシウム
カルシウムが不足すると、骨折や骨粗しょう症のリスクがあります。
乳製品に豊富に含まれているので、ヴィーガンの人は不足しやすい栄養です。
カルシウムは一般的に、骨に強度を与えると認識されていると思います。
カルシウムは、一時的な摂取不足ではリスクは出にくですが、継続的に不足した状態が続いてしまうと、骨折や骨粗しょう症のリスクが向上してしまうのです。
ビタミン
ヴィーガンの人が不足しやすいビタミンは、ビタミンB12とビタミンB6です。
これらが不足すると、どんな問題があるのかそれぞれ詳しく解説します。
ビタミンB12
ビタミンB12は肉・魚など動物性の食品から摂取され、植物性食品からほとんど摂取することは出来ません。
牛レバー・イワシ・あさり・しじみに豊富に含まれ、不足すると食欲不振・睡眠障害・知覚障害・倦怠感などを引き起こしてしまいます。
ビタミンB6
ビタミンB6は、ビタミンB12同様、動物性タンパク質に含まれ、アミノ酸の合成や分解に関与しています。
不足すると、体重の減少・痙攣・湿疹・口角炎・脂漏性皮膚炎などにかかりやすくなってしまうのです。
マグロ、カツオ、レバー、ささみによく含まれています。
亜鉛
亜鉛は、肝臓や皮膚、眼球の硝子体、前立腺などに存在しています。
インスリンを作ったり、味蕾という舌にある味を感じとる箇所の新陳代謝に関係しています。
不足すると、糖尿病の原因、味覚異常、慢性の下痢、性腺発育障害、皮膚の異常になってしまうのです。
牡蠣や肉(牛・豚)に含まれています。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸が不足すると、疲れやすい、集中力が続かない、関節痛などになりやすいです。
クルミからも摂取することはできますが、青魚(イワシ・マグロ・カツオ・サンマ・サバ)などにも含まれています。
体の炎症を抑えたり、体脂肪を分解したり、増えるのを防いだり、認知症の予防にも効果があることがわかっているのです。
魚の油を取ることで、心臓に関係する病気も予防できるとわかっています。
必須脂肪酸と言われ、体の中で作ることが不可能なので、食べ物から摂取するしかありません。
まとめ
ヴィーガンのリスクについてまとめましたが、決してヴィーガンを否定をしているわけではありません。
ヴィーガンに対して肯定的な研究もあれば、否定的な研究もありますし、宗教的・思想的にヴィーガンに行き着く人もいらっしゃるでしょう。
生まれながら、タンパク質を消化する酵素が体の中で作られづらく、動物性タンパク質を食べるとアレルギーになったり、体調が悪くなりやすいという人も確かに存在します。
自分がヴィーガンを取り入れるか否かは、慎重に判断しなければなりません。
ネットや誰かの影響でヴィーガンとなるのではなく、医師に相談して決めるようにして下さい。
健康的な体は、バランスの良い食事生活はもちろん、運動や睡眠も大切になります。
ヴィーガンを始める前に、是非自分自身の生活も見直してみて下さい。
著者プロフィール

佐藤 喜一
鍼灸師としての医学的観点とトレーナーとしての科学的視点をかけ合わせ「あなた本来の身体」へ導くパーソナルトレーナー
指導実績
トップアスリート、アーティスト、モデル、俳優などのトレーニング&コンディショニングを担当 これまでの経験を基に、トレーニングと鍼灸で1,000名以上の身体の悩みを抱える方々のサポートを行う
保有資格
◆はり師・きゅう師 ◆NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー) ◆FMS Level1 ◆テクニカ・ガビラン認定者