筋トレには絶大な美容効果があることを知っていますか?
「どんなに高級な化粧水を使うより、筋トレをする方が美容効果が高い!」
以前、トレーニング中にお客様が何気に言われた一言です。
最近ではフィットネスブームにより、女性にとっても筋トレが一般的になってきていると肌感覚で感じます。
テレビや雑誌などでも、筋トレをしている女性の特集が組まれ、SNSでも頻繁に目にする機会があるのではないでしょうか?
筋トレには、様々なメリットがあることがわかっていますが、その中でも「美容効果」は最新の研究でも証明されており、注目が集まっています。
一見すると、あまり関係ないように思われるかもしれませんが、筋トレは美容に絶大な効果を発揮するのです。
このブログでは、筋トレと美容効果についてご紹介します。
目次
美肌の鍵になるのは「筋トレ」
美容に関して、女性が1番気になるのは肌ではないでしょうか?
最近の研究では、筋トレを行うと美肌効果が高くなることがわかっています。
筋肉で作られる「マイオネクチン」という成分が、シミの原因となるメラニンの生成を抑え、肌の透明感の向上が期待されています。※1
筋肉が増えればマイオネクチンが作られるので、筋トレして筋肉の量が増えれば美肌になるということです。
また、筋トレ、有酸素運動を行うと、肌の真皮(図1)という部分が厚くなることもわかっています。※1
真皮が厚くなると肌の弾力も良くなり、肌のたるみやシミ・シミが少なくなり、若々しい印象を与えので、冒頭の「筋トレがどんな高級な化粧水より効果がある」ということに直結するということです。
筋トレはスクワットがおすすめです!
どんな筋トレをしたら良いの?と、疑問をもたれる方もいらっしゃると思いますが、筋トレは「スクワット」をおすすめします。
なぜスクワットが良いかというと、身体の半分以上の筋肉を鍛えることができるからです。
下半身には、身体の約6割の筋肉があると言われています。※2
スクワットを行うことで、身体の半分以上の筋肉を鍛えることができるので、非常におすすめです。
スクワットに関しては、別の記事でまとめているので、気になる方は是非チェックしてみてください
若返りホルモンが分泌される
「筋トレ」と「美容」の関係性には「成長ホルモン」が鍵となります。
筋トレを行うことで、若返りホルモンと言われている「成長ホルモン」の分泌が、非常に高くなるのです。※3
「成長ホルモン」という言葉を聞いたことがあると思います。
成長ホルモンは思春期もっとも分泌され、一般的に身長を伸ばすホルモンと、認識されているのではないでしょうか?
成長ホルモンの役割は、思春期に身長を伸ばすだけではありません!
成長ホルモンは大人になってからも、非常に重要な役割を担っているのです。
成長ホルモンの役割
成長ホルモンの代表的な役割は以下の通りです!
成長ホルモンの役割
- 脂肪の分解
- 筋力増強
- 体の疲れを回復させる
- 意欲・活力を向上させる
- 気持ちを安定させる
- 体の免疫力をアップさせ病気の予防
成長ホルモンの役割を読んでいるだけで、元気で若くなれそうですね!
年齢を重ねると成長ホルモンの分泌量は減量する
30代半ばを過ぎた頃から、「20代の頃はすぐに痩せられたけど、最近はなかなか痩せれなくなった、、、」と思うことはありませんか?
それには、成長ホルモンの分泌量の減量が関係している可能性があります。
成長ホルモンの分泌量は思春期の10代でピークを迎えます。
20代半ばを境に、年齢を重ねるごとに分泌量が減少してしまい※3 痩せにくく太りやすい体になってしまうのです。
成長ホルモンは筋トレで増やすことができる!
筋トレをすることによって、成長ホルモンの分泌量を増やすことが出来ます。
筋トレ後は平常時に比べて、成長ホルモンの分泌が増えることがわかっているのです。※2
このことから、年齢を重ねても若さを保つことができます。
実際に筋トレを半年以上続けられている30代半ばのお客様が、初めて会った人に20代に見られて喜ばれていました。
女性が筋トレをすると、ムキムキな体になってしまうのでは?と、不安に思われるかもしれません。
しかし、女性ホルモンの関係で、筋肉は太くなりにくいので、安心して行ってください。
筋トレだけでは美容効果を高めるのは不十分!
筋トレをすることによってマイオネクチンや成長ホルモンが増え、美容効果につながるとご紹介しました。
しかし、筋トレだけを頑張れば美容効果が高まるわけではありません。
美容効果を高めるためには、「食事」と「睡眠」も正しく取り組む必要があります。
食事によって体を修復する材料を補充し、睡眠によって体の回復を促すので、この2つが大切なのです。
筋トレ の効果を高め、美容効果も高める「食事」と「睡眠」について説明していきます。
美容効果を高める『食事』
食事で意識したいのは「タンパク質」と「水」です。
なぜかというと、人間の体を構成する体組成は水が約60%※5で1番多く、2番目に約20%とタンパク質※6が多くなるので、この2つを意識して摂取する必要があります。
水
水はコーヒー・お茶・清涼飲料水などは含まず最低でも、1日1.5ℓを目安に水を飲みましょう。
あなたの現状が1.5ℓより少ないのであれば、まずは水を飲むことから始めてください。
なぜならば、人間は普段の生活で尿から1,500ml、皮膚の蒸発から500ml、呼気から400ml、糞便から100ml、1日あたり合計2.5ℓの水分が体内から排出されるといわれています。※7
排出された水分を補うために同じ2.5ℓ必要です。
食事から900ml、酸化水という栄養素を代謝する時に発生する水分300ml、残りを補うためには水を1,300ml摂取する必要があります。※7
食事でも水を多く含むもの、少ないものばらつきがあるため、1日に摂取する水の量は1.5ℓを目安にするのがおすすめです。
肌の乾燥が気になるという方は、体内の水分不足が考えれらますので、こまめに水分補給を行いましょう。
水をあまり飲まなかった人が、水を飲みはじめると、トイレが近くなりやすいです。
女性は尿道が短いので、トイレを我慢していると膀胱炎なってしまいます。
仕事中に頻繁にトレイに行くことができない場合は、無理に水を飲まず、休日などトイレにすぐ行ける時に意識するようにしましょう。
タンパク質
人間の体は、ほどんどがタンパク質からできています。
脳・神経・内臓・筋肉・血管・血液・皮膚・爪・髪など、タンパク質由来で作られているのです。※5
そして、人間の習性として、脳や神経や内臓など生命維持に重要な臓器から栄養が行き渡るようになっています。
食事でタンパク質が十分に摂れていないと、皮膚や爪や髪に栄養が行き渡りにくくなってしまい、艶のある肌や髪、爪を手に入れることが難しくなってしまうのです。
特に美容の観点で気にさるのは、肌の状態ではないでしょうか?
肌は「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」が大事な役割を担いますが、これらもタンパク質から作られます。
ヒアルロン酸は肌の潤いを、コラーゲンとエラスチンは肌の弾力性を担っているのです。
筋トレを行い、タンパク質をしっかり摂ることで、ターンオーバー(新陳代謝)が促され、肌の細胞の入れ替わりが早まり、美肌を手に入れることが可能になります。
美容効果を高める睡眠
美容効果を高める睡眠には「時間」と「質」がポイントになります。
睡眠時間
睡眠時間は8時間が理想です。
もし難しいようであれば、最低でも6時間以上は確保するようにしましょう。
6時間未満の睡眠が続くと、2日徹夜した状態と同じという研究結果があります。※8
睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が悪くなってしまい、体の回復が不十分で、肌にも悪影響が出てしまうので注意が必要です。
睡眠の質を上げる
睡眠の質を向上させるには、寝る直前までスマホなどをいじってブルーライトを浴びないことが大切です。
ありきたりなことですが、とても大事で簡単に改善できるポイントなので、ぜひ見直してみてください。
お風呂はシャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かることが睡眠の質を向上させることにつながります。
湯船に浸かると体温が上昇し、時間の経過と共に体温が落ち着きます。
この体温が落ち着く過程で、眠気がおき寝つきが良くなり、睡眠の質が向上するのです。
また、空腹の状態や睡眠中は成長ホルモンの分泌量が多くなることがわかっています。※9 ※10
眠るときは満腹状態ではなく、空腹を感じる程度で眠れるように、夜ご飯を食べてから寝るまでの時間を最低でも3〜4時間は空けるようにしましょう。
夜ご飯から寝るまで3〜4時間あけることが出来ない場合は、夜の炭水化物の摂取を抑え、血糖値の上昇が最小限な状態で眠るようにしてみてください。
空腹な状態で寝ることで、朝の目覚めも良くなり、美容には最適な規則正しい生活リズムを手に入れることができます。
睡眠の質を改善する方法につきましては、別途ブログで紹介しているので、そちらを参考にしてください(パスワード:1111)
まとめ
筋トレには、美容に絶大な効果あるというお話をしてきました。
筋トレの効果を最大限引き出すには、正しいやり方を理解することも大切です。
それには、睡眠や栄養も密接に関係しているので、それらも正しく理解し、実践することが非常に大切になります。
参考文献
※1 株式会社ポーラ化成工業(株)フロンティアリサーチセンター.筋トレ(レジスタンス運動)が美肌を作る.ポーラ化成工業株式会社.2020-10-16. http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20201016_05.pdf,(参照 2023-06-02)
※2 荒川裕志.プロが教える筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト辞典.ナツメ社,2012,271p.4816353267,9784816353260.(参照 2023-08-11)
※3 Kraemer WJ, Gordon SE, Fleck SJ, Marchitelli LJ, Mello R, Dziados JE, Friedl K, Harman E, Maresh C, Fry AC. Endogenous anabolic hormonal and growth factor responses to heavy resistance exercise in males and females. Int J Sports Med. 1991 Apr;12(2):228-35. doi: 10.1055/s-2007-1024673. PMID: 1860749.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1860749/,(参照 2022-06-08)
※4 nordi care AGHD.ホルモンとは.大人になっても必要な成長ホルモン.https://www.nordicare-aghd.jp/about/growth/necessary.html,(参照 2022-06-08)
※5 大塚製薬.水分補給.身体と水分.https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/body-fluid/,(参照 2022-06-08)
※6 森永製菓.人間の体はタンパク質でできている。タンパク質・アミノ酸・ペプチドの関係を解説.【森永製菓】プロテイン公式サイト.https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=20&category=health,(参照 2022-06-08)
※7 佐藤優子ら.生理学.第2版.東京.2011.1.298p.978-4-263-24166-0,(参照 2022-06-08)
※8 Van Dongen HP, Maislin G, Mullington JM, Dinges DF. The cumulative cost of additional wakefulness: dose-response effects on neurobehavioral functions and sleep physiology from chronic sleep restriction and total sleep deprivation. Sleep. 2003 Mar 15;26(2):117-26. doi: 10.1093/sleep/26.2.117. Erratum in: Sleep. 2004 Jun 15;27(4):600. PMID: 12683469.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12683469/,(参照2022-08-06)
※9 Pradhan G, Samson SL, Sun Y. Ghrelin: much more than a hunger hormone. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2013 Nov;16(6):619-24. doi: 10.1097/MCO.0b013e328365b9be. PMID: 24100676; PMCID: PMC4049314.https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/24100676/,(参照 2023-08-11)
※10 Takahashi Y, Kipnis DM, Daughaday WH. Growth hormone secretion during sleep. J Clin Invest. 1968 Sep;47(9):2079-90. doi: 10.1172/JCI105893. PMID: 5675428; PMCID: PMC297368.https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/5675428/,(参照 2023-08-11)
著者プロフィール
佐藤 喜一
鍼灸師としての医学的観点とトレーナーとしての科学的視点をかけ合わせ「あなた本来の身体」へ導くパーソナルトレーナー
指導実績
トップアスリート、アーティスト、モデル、俳優などのトレーニング&コンディショニングを担当 これまでの経験を基に、トレーニングと鍼灸で1,000名以上の身体の悩みを抱える方々のサポートを行う
保有資格
◆はり師・きゅう師 ◆NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー) ◆FMS Level1 ◆テクニカ・ガビラン認定者